巨人にはさまれたギリシアの乙女|ベートーヴェン交響曲第4番の魅力

ベートーヴェンが遺した9つの交響曲は、偶数番号のものと奇数番号のものとで性格が違う、と言う人がいます。

つまり「奇数番号である第1番、3番、5番、7番、9番は、いずれも荒々しく男性的であるが、偶数番号である第2番、4番、6番、8番は、女性的で優美である」ということです。

あなたは、どう思いますか?

たしかに、例えば偶数番号である第6番「田園」は、田園を歩くときの晴れやかな気持ちをイメージしており、その意味では、偶数番号の曲が「優美である」という指摘は、的を得ていると思います。

ロベルト・シューマンは、ベートーヴェンの交響曲第4番を「2人の北欧神話の巨人(第3番と第5番のこと)の間にはさまれたギリシアの乙女」に例えていることも、その表れとみることもできるでしょう。

しかし、第6番も第4楽章のように荒々しい嵐を描写した楽章もあれば、この交響曲第4番も、そのドラマティックな展開は、奇数番号の交響曲に劣らないと思います。

そんな交響曲第4番ですが、この曲を作った1806年の頃のベートーヴェンは創作意欲が旺盛な時期で、しかもその多くが晩年の名曲群とは違う雰囲気を持ったものが多いのです。

この頃完成したものとしては、例えば、ピアノ協奏曲第4番やヴァイオリン協奏曲があります。

どの曲も、超有名曲のような派手さはありませんが、優美でかつ聴き込むほどに味わい深い名曲です。

そして、この時期、ベートーヴェンは、ヨゼフィーネ・フォン・ダイム伯爵未亡人と深い愛情が芽生えていた、幸福な時期でもあったのです。

楽器編成は、通常の2管編成から1本のフルートを除いたもので、ベートーヴェンの交響曲としては最も小さいものとなっています。

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1 曲の構成

・第1楽章 アダージョ-アレグロ・ヴィヴァーチェ

第1楽章は、まるで暗闇の中を手探りで行くような、神秘的な雰囲気の序奏から始まります。序奏の後半は急速に盛り上がり、主部に入ると一転して軽快な音楽が始まります。

曲は、長い息で盛り上がるところが特徴的ですが、軽快とはいえ、ハイドンやモーツァルトのような古典派の交響曲とは似て非なるもの。再現部冒頭は第1楽章が強奏で再現される、かたどおりのもので、あっさりとしたコーダで第1楽章は閉じられます。

・第2楽章 アダージョ

アダージョという指定ですが、優美な美しさが心に迫るような楽章です。
第1主題は優美そのものといったヴァイオリンによるメロディー。

第2楽章は、クラリネットによるもの悲しい旋律で、聴く者の心を揺さぶります。途中、劇的な部分もあり、緩徐楽章とはいえ、起伏の大きいドラマティックな楽章です。

・第3楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

スケルツォ楽章です。第3楽章にメヌエットが置かれていたのは、もう昔の話ですね。主部は力強い響きが印象的ですが、中間部はクラリネットやホルンなどが活躍し、主部と対称的です。

・第4楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ

第1主題は細かい音符が積み重なる急速なパッセージで、全体として、ハイドンやモーツァルトの時代の終楽章にあったような軽快さと、ベートーヴェンらしい力強さとドラマティックさを兼ね備えたような楽章です。

途中、ファゴットがすごいスピードで駆け抜けるあたり、演奏者の人は大変だろうなと思ってしまいます。

2 おススメCD

・カルロス・クライバー指揮 バイエルン国立管(オルフェオ)

ベートーヴェン交響曲4番

「2人の北欧神話の巨人の間にはさまれたギリシアの乙女」に例えられる交響曲第4番ですが、クライバーの演奏は、この曲の男性的な面を強くだしたような、力強い演奏です。

早めのテンポを基調としながらも、第2楽章などの優美さも併せ持った、とてもドラマティックな演奏を聴くことができます。なお、クライバーは、アムステルダム・コンセルトヘボウを指揮した映像も残しており、こちらも必見ですぞ♡

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