【未完の傑作】ブルックナー交響曲第9番を知っていますか?

今回は、ブルックナーの交響曲第9番についてのお話です。
作曲当時、ブルックナーは当時70歳に近い高齢にありました。

病気による健康状態の悪化にもかかわらず、死の直前まで衰えない創作力で第4楽章を完成させるために力を振り絞ったのですが、多くの草稿を残しながらも未完に終わってしまいました。

しかし、この曲は未完成であるにもかかわらず、音楽のとてつもない深遠さによって圧倒的な存在感を与えています。第4楽章が完成していれば、疑いもなくブルックナーの最高傑作となったでしょう。

幸いなのは第3楽章が、まるで完成された曲の終結部のように感じられることです。

この楽章のおかげで、聴き終わった後に少しも不自然さを感じずに済みます。

それにしても、この第9交響曲はとんでもない曲です。

これはもう音楽であって音楽でない、とてもこの世界のものとは思えない、宇宙そのもののような印象です。

初めてこの曲を聴いた時には、遠い宇宙の果てに一瞬にしてワープさせられたような感覚に陥りました。音楽を聴いていて、そんな体験をしたのは、後にも先にもこの曲のみです。

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1 曲の構成

・第1楽章:荘厳に、神秘的に

調性や構成でベートーヴェンの第9交響曲を連想させる楽章です。まず冒頭からこの世のものとは思えない響きが出現します。弦の小刻みな震えによる、いわゆる「ブルックナー開始」はホルンの響きを加えて進行します。

ホルンによる第1主題を経て、穏やかな第2主題に入ります。そして神秘的な第3主題を経過して、いままでの3つの主題が有機的に組み合わされた展開部と再現部へ拡大し、強烈なコーダに突進していきます。

・第2楽章:スケルツォ。軽く、快活に – トリオ、急速に

間に中間部トリオをはさむ三部形式です。冒頭から不安定な響きで始まります。中間部は、ブルックナーにしては非常に早いテンポです。

快活なリズムにのって、ユーモア的な音楽が繰り広げられますが、フォルティッシモに達し、激しい巨人の足どりから宇宙の響きとなります。途中で感傷的な旋律を経て快活なリズムに戻ります。

・第3楽章:アダージョ 遅く、荘重に

実に崇高な音楽。ヴァイオリンによる第1主題から発展し、自然の鳴動、その夜明けの壮大さ、荘厳な地響きとなり、一転して崩壊の悲しさが襲ってきます。歌うような第2主題のメロディーは、後半の涙がにじむような動きがすばらしいと思います。

コーダは、第8交響曲のアダージョや第7交響曲冒頭の主題を回想し、愛と至福に満ちたホ長調の響きで静かに終結していきます。

2 おススメCD

・ギュンター・ヴァント指揮 ベルリンフィル(RCA REDSEAL)

ブルックナー交響曲9

1988年のベルリン芸術週間におけるライブ演奏です。もともと、硬質な音色で引き締まった音楽作りが身上のヴァントに、ベルリンフィルの重厚な響きが加わり、それが独特の陰影をつくりだしています。

そのスケールの大きさと音楽の深みは、比べるものがありません。ブルックナー好きの人ならば、一度は聴いておくべきCDです。

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