これぞシューベルト!微妙の極致をいく未完成交響曲ロ短調とは

シューベルトの曲は、明るいかと思うとすぐに暗くなったりというふうに、相反する2面性を併せ持ったところに最大の特徴があります。

今回、紹介するシューベルトの交響曲第8番「未完成」。
いわずと知れた、超有名曲ですが、実はロールちゃん、長らく、この曲の真価を理解することができませんでした。

この曲を始めて聴いたときは、なんだか不気味な、怖い曲という印象しかありませんした。しかし、最近になってようやく、この曲やシューベルトの真価とすごさについて理解できるようになってきた感じがしています。

この交響曲第8番「未完成」は、一言でいうと、恐ろしいくらい深いくらいの暗さと、同時に、天上にのぼるような美しさを持っている曲です。

ベートーヴェンは、困難や運命に対し、闘う姿勢を貫き、最後は勝利する、という図式を作り上げました。その典型的な例として、交響曲第5番「運命」や第9番「合唱」が挙げられるでしょう。
しかし、シューベルトは、そのようなベートーヴェンの図式に対し、「そんなの、無理じゃないの?」ということを、「未完成」この交響曲第8番でいっているのではないでしょか。

一体、どういうことなのでしょう。

それは、曲の構成を説明するところでお話しします。

ちなみに、この「未完成」という別名ですが、これは、交響曲は、通常4楽章構成であるのに、この曲は2楽章までしかないことからついた名前です。
しかし、曲を聴けば、第2楽章で完成していると思えます。

楽器編成は、2管編成にトロンボーンが加わっています。

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1 曲の構成

・第1楽章 アレグロ・モデラート

まず、低音楽器が、不気味なメロディーを、まるで地面の底を這いまわるような感じで演奏するところから始まります。
その後、ヴァイオリンが細かい音を刻み始めると、まもなくオーボエが第1主題を吹き始めます。

美しいのですが、なにか空虚な、怪しい雰囲気をメロディーです。
ホルンが出て音楽が一段落すると、チェロが美しい第2主題を奏でます。

しかし、その音は弱々しく、冬の日の曇った日にかろうじて日が差したような、そんな感じです。
突然、強い悲劇的な響きで音楽が断ち切られたあと、再び第2主題が、まるで自分の存在を主張するかのように切迫した感じで現れます。しかし、やがて音楽は荒々しくなり、第2主題は、奈落の底に突き落とされるような状況となります。

曲の最後、再び第2主題が現れますが、それは最後の力を振り絞っているかのようです。

・第2楽章 アンダンテ・コン・モート

冒頭から、ピチカートによる美しい第1楽章が提示されます。
途中、突然の強い響きが入るものの、その後現れる木管楽器による第2主題は、「未完成」の中で最も美しいメロディーとされています。

しかし、この美しい世界も突然現れる暴力的な音楽によって打ちのめされてしまいます。
最後は、まるで、天国にのぼっているかのような、美しい響きで、この交響曲の幕は閉じます。

シューベルトは、生前は経済的に恵まれず、世俗的な成功とは無縁のままでその一生を終えました。

苦しい困難や運命に対して、ベートーヴェンは、あくまで戦い抜くことでそれを克服しようと考えたのですが、一方、シューベルトは「死」という最終手段でしか解決の方法はない、と悟っていたのでなないでしょうか?

2 おススメCD

・カルロス・クライバー指揮 ウィーンフィル(ドイツ・グラモフォン)

シューベルト 未完成

有名曲ゆえに名演も多いですが、第1楽章冒頭の不気味な開始から、聴き手を別次元の世界に引っ張っていくような感覚になります。
第2楽章における美しさなどは、このCDにかなう演奏は、なかなかないと思います。

まずはじっくり聴いてみてください。

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