【ヴェルディ最後の序曲】オペラ「運命の力」の感想

「運命の力」は、ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全4幕からなるオペラです。
原典版は1862年に、改訂版は1869年にイタリア・ミラノのスカラ座にて初演されました。なお、今日演奏されるのは殆どが改訂版によります。

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1 作曲の経緯

1861年、ヴェルディは新作オペラを作曲してもらえないだろうか、という打診がもたらされます。その依頼を受けヴェルディが作曲したオペラ(これを「原典版」といいます)の初演は1862年に行われますが、必ずしも文句なしの成功とはいえないものでした。

ヴェルディ自身も、この原典版を改訂の必要性を認め、場面順序の入れ替え結末を変更、さらに、原典版では短い前奏曲であったものを、全ドラマを音楽的に俯瞰する有名な序曲に改作し、現在の形となっているのです。

2 劇のあらすじ

劇のあらすじは、以下のとおりです。

「舞台はオーストリア継承戦争の中のスペイン。
レオノーラとアルヴァーロは相思相愛の仲ですが、レオノーラの父カラトラーヴァ侯爵は二人の仲を認めません。追い詰められたアルヴァーロは銃を捨てますが、放り投げた銃は暴発し侯爵はそれに巻き込まれ亡くなってしまいます。

侯爵の息子ドン・カルロは、父の仇を打つべく逃げたアルヴァーロを探します。そして、やむを得ずレオノーラも家を捨て世捨て人となってしまいます。

数年後、レオノーラが姿を見せなくなると逃亡中のアルヴァーロは「彼女は死んだ」と思い込んでしまいます。

そんなある日、イタリアの戦場で、陣中のドン・カルロが命を落としそうになりますが、アルヴァーロがこれを助けます。

逃亡中のアルヴァーロに、追跡中のドン・カルロはお互いに偽名を名乗り、義兄弟の誓いを立てます。戦場で共に闘う二人ですが、寝食を共にするうちにアルヴァーロに疑問を感じたカルロはアルヴァーロの荷物を探ります。

すると、妹レオノーレの肖像画がみつけてしまうのです!義兄弟の彼が父の仇アルヴァーロだと気づいたのです。

数年後、アルヴァーロにドン・カルロが再び決闘を申し込みます。そして、アルヴァーロとカルロは、レオノーラの暮らす洞穴の近くで決闘することになります。

決闘の末致命傷を負ったカルロの最後を修道士に看取ってやって欲しいと、近くに隠者が暮らす洞穴探したところ、そこにはレオノーラが!!!

悲嘆に暮れるアルヴァーロは「僕は再び君の家族を殺してしまった・・・」と彼女に告げます。

レオノーラは兄カルロを探し山へ向かいます。しかし、父の仇と共に逃げようとした妹を許せないカルロは、死際になんとレオノーラを一突きに刺してしまいます。あまりにも過酷な運命に嘆き悲しむアルヴァーロを尻目に幕となります。

3 序曲の構成

この序曲は、改訂版で挿入されたものですが、序曲それ自体で有名なものであり、単独での演奏機会も多いようです。トロンボーンなどの低音の金管楽器が暗く厳しい運命を暗示するかのように悲しく響き渡ります。

その後は悲しい逃亡生活のように、クラリネットが淋しいフレーズを切々と歌い上げます。途中はそんな中にも一筋の明かりが差し込むような明るい表情を見せますが、それも一瞬でトロンボーンが暗く鋭く鳴り響くとまた厳しいフレーズへと形を変えていきます。

そして、過酷な運命を乗り越えようとでもしているかのように、激しいフレーズが続きます。
曲は後半に入るとその勢いを増していき、派手に盛り上がっていきます。

スピードを上げて弦楽器が忙しく盛上げシンバルや金管楽器も華やかに曲を演奏して曲を終わります。

5 おススメCD

クラウディオ・アバド指揮 ロンドン響 (RCA)

運命の力ヴェルディ

ミラノ・スカラ座で日々ヴェルディを演奏していた頃のアバドの演奏ですが、じわじわと盛り上がってゆくクレッシェンド、歌う木管群、気品を失わない金管群。
ヴェルディには、熱狂や歌とともに、気品も大切です。

さらに、意のままになるロンドン響との組み合わせということもあり素晴らしい演奏を聴かせてくれます♡

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